「UNDER TALE」サンズ、chara考察

※注意‼この記事にはUNDERTALEのネタバレが含まれるため、本作未プレイの方はこの記事を読まないことをオススメします。プレイ後にご覧下さい。


UNDERTALEには3人のラスボスがいます。

Nルートのアズゴア王、Pルートのアズリエル、そして最後の1人がGルートのサンズです。

前者2人は分かりやすく、本作におけるいわゆる「魔王」ポジションです。

「ではサンズは一体何者(どういうポジション)なんだ!?」というのを考察します。

「オイラはサンズ。見ての通りスケルトンさ」

Gルートのラスボスにして、UNDERTALEのもう1人の主人公、それこそがサンズではないでしょうか。

何故って?

Gルートにおけるサンズの境遇を考えてみましょう。

「突如現れた殺戮者によって無残にも殺されてしまった弟や仲間たちの無念を背負い、たった1人で世界を守る為に仇と戦うモンスター」です。

…どうです? まさに主人公そのものでしょう?

もっともこの場合、彼の仇(=悪党)は他でもないプレイヤーの事なんですが…(^^;)

サンズは(フラウィを除けば)世界がセーブとロードを繰り返している事に気づいている唯一のモンスターであり、努力して何かを成し遂げても時間が巻き戻される事によって努力が無駄になってしまう為、無気力になっています。

Gルートではプレイヤーの方が、そんな彼を奮い立たせるために外道を演じる悪役(脇役)だということです(^^;)

根拠としてはやや薄いかもしれませんが、あのスマブラに本作から唯一参戦(コスプレ衣装化)を果たしたのも今のところサンズだけですしね…。

サンズ スマブラver

また、サンズはNやPルートでは(彼の弟、パピルスを殺さない限り)主人公(≒プレイヤー)と仲良くしようとジョークを披露したり、食事に誘ったりします。

Gルートでプレイヤーと戦う時も「おれはちゃんと忠告したからな」と発しており、「実は最後までプレイヤーのことを思っての事だった」という説があります。

フリスクと双璧をなす本作のもう一人の主人公であり、「実はどんな時もプレイヤーの味方」…それがサンズというキャラクターの魅力ではないでしょうか。

…ところで、公式日本語版サンズの一人称が「オイラ」だったことが、非公式日本語版で遊んでいた1部のファンの間に衝撃が走った(彼の一人称が「オレ」か「ボク」かで議論をしていた為)らしいのですが…。

サンズ画像

あの見た目で初対面で「オレ」とか言われたらちょっと怖いですし、かと言って「ボク」と言うのもイメージと違うと思うので、「オイラ」でちょうど良かったと思います。

極悪非道のサイコパスなのか、プレイヤーの分身なのか、それとも…?

次はアズリエルの親友にして、本作最大の謎であるcharaの考察です。

在りし日のアズリエルと「親友」

プレイヤーが名前を入力した人物であり、命乞いをするフラウィ(=花に転生したアズリエル)を殺し、全モンスターの殺戮を完遂した主人公とプレイヤーの前に現れ、世界を破滅させるというとんでもない人物です。本当にとんでもないのはGルートを完遂したプレイヤーの方なのかもしれませんが。

その為、本作の諸悪の根源のような印象のある彼(女?)ですが、本当にサイコパスだったのかどうかはプレイヤーの間でも議論が割れているそうです。

私もcharaにはあまりいい印象がないのですが。Pルートでアズリエルが(両親を差し置いて)「1番大事な相手」と言っていた辺り、少なくとも生前は、アズリエルの良き親友だった事はほぼ間違いないようです。

…というか、

命乞いをする旧友を惨殺するヤツの心理なんて理解できるワケないだろぉ~!!

…しかしこれだけではあまりに身も蓋もないので、もう少し掘り下げてみましょう。

UNDERTALEは「(敵同士であるはずの)人間とモンスターとの友情譚」であると思います。

とくに不殺を貫いたPルートでは、フリスク(主人公の人間)が全てのモンスターと友達になり、彼らとの友情に支えられ、絶体絶命のピンチから脱し、世界を救うという物語になっていると思います。

…一方、Pとは真逆のGルートはどういう物語なのかというと…。

Gルートが不可逆の(一度クリアしてしまうと真のPルートエンディングが見られなくなってしまう)為、Pルート攻略後にGルートをプレイする方が一般的でしょう。(中にはPよりGの方を先にクリアしてしまったという方もいらっしゃるようですが、そもそものゲームデザインというか物語の時系列としてP→Gという流れになっていると思います)

つまり、Pルートで全モンスターと友情を築いたプレイヤーが、今度はそのモンスター達を皆殺しにする時系列だという事です(もっとも本作のモンスター達を楽しみながら皆殺しにしたプレイヤーはあまりいないだろうとは思いますが…)

これはまさに、親友だったはずのアズリエル(の生まれ変わり)を惨殺するcharaの姿と被ります。

これがどういう事なのかというと、「モンスター達は義理堅いから人間との友情を忘れないし裏切らないけれど、人間は薄情だからモンスターとの友情なんてカンタンに忘れるし、裏切る。それにこれはただのゲームだし」…と、いう事なのかもしれません。

…もっとも、自分ではGルートをやらないクセに結末だけは知りたがるプレイヤー(つまり私のようなヤツの事です)はフラウィ曰く「それ以下」だそうです。

そんなワケで「闇深いな~」と思うこのゲームですが、ある意味「Gルート」の存在があるからこそのPルート(ハッピーエンド)であり、Pルートだけを見ても純粋なハッピーエンドではないからこそ「UNDERTALE」は名作なのだと思います。

そもそも本作は、全てのモンスターを生かしたらハッピーエンド、皆殺しにしたらバッドエンドという、「魔王やモンスターが悪で人間が善」「魔王やモンスターを倒してハッピーエンド」という王道ファンタジーに対するアンチテーゼです。

Gルートのcharaやプレイヤーは、その様な王道ファンタジーのモンスター目線から見た存在、という事なのかもしれません。

※10/23追記:アズリエルがcharaに優しくしてあげた描写は作中に度々ありましたが、charaがアズリエルに優しくしてあげた描写がなかった為、悪魔のような姿(設定的には神らしいけど)になってまでcharaを取り戻そうとするアズリエルの気持ちがいまいち伝わって来なかったのが残念であります。

もしかしたら彼らの友情はアズリエル→charaの一方通行だったのかもしれません。

charaに裏切られて死んだにも関わらず、charaと過ごした楽しい日々を忘れられず、「かつての親友」を追い続ける哀れなアズリエル。そんな彼を、薄情なcharaの代わりに手を差し伸べ救ったフリスク…。Pルートは、そういう物語だったのだと思いました。

charaもアズリエルSAVEに協力してくれたという説もあるようですが、残念ながらそれはないだろうと思います。その方がより感動的ではありますが、作中のchara描写を見ていると彼(女?)がその様な殊勝な人物だとは思えないんですよね…。

まとめ

  • サンズはGルートにおけるラスボスにして、フリスクと双璧をなす本作のもう一人の主人公。
  • charaはUNDERTALE最大の謎にして闇。
  • UNDERTALEは人間とモンスターとの友情譚でもあります。
  • 諸悪の根源のような印象のあるcharaですが、生前はアズリエルの良き友人だった事はたぶん間違いないでしょう。
  • モンスター達は人間との友情を忘れません。困った時は助けてくれます。
  • 一方、人間は薄情だからモンスターとの友情なんてカンタンに忘れるし裏切ります。それにこれはただのゲームだし。
  • 自力でGルートを攻略せず、結末だけを知りたがるヤツは「裏切り」以下です。
  • メタフィクションと純粋なハッピーエンドでは終わらないUNDERTALEが好きです。

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「UNDER TALE」サンズ、chara考察” に対して 2 件のコメントがあります

  1. K より:

    charaはマカロニアートとか色々残してくれているんですがそれは

    1. 秋之ルイ より:

      そこんとこ見落としてました。あと、スパムに引っかかっていたので返信遅れました。すみません💦

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