映画「名探偵ピカチュウ」感想
テクノロジーの進化によって「ポケモン」が現実の存在に!?
「ポケモンたちが現実に存在すればいいのに」
現在の、そしてかつての少年少女たちの多くが抱いた「夢」は、近年、テクノロジーの進化によって、実現しつつあります。
現実世界にいる(ように見える)ポケモンたちと写真を撮って捕まえられるスマホアプリ、「ポケモンGO!」はまさにその一つです。
そしてもう一つは、ハリウッドによって制作された映画「名探偵ピカチュウ」です。
この映画は本家ポケモンシリーズではなく、その派生である同名ゲームの実写映画化なのですが、その映画の見どころは勿論「現実世界に違和感なく溶け込んだポケモンたちの姿」です。
映画ネタバレなし感想
アニメやゲームだと「ツルツル」のポケモンたちが、フサフサに、描かれているのが面白かったです。
アメリカの街並みをバックに画面に映るポケモンたちが非常にリアルで、彼らと普通に生活している人間たちの姿にも全く違和感がなく、登場人物たちに親近感が湧いたと言いますか、見ているのは「架空の世界」の話ではなく、「隣人たちの姿」とでも言うような心地になりました。
つまり何が言いたいかというと、映画を見ている最中、ポケモンが当たり前のように存在する感覚を抱いていました、という事です。
爬虫類のリザードンは鱗がリアルすぎてちょっと気持ち悪いくらいでした(^^;)
そんなワケで「リアルなポケモン世界を体験できる」という点ではこの映画は傑作でした。
…ただし、問題もあります。それは何かというと「ストーリー」です。
この映画は「ライムシティ」という架空の町を舞台に、行方不明になった父親を息子(ティム)が捜す、という物語です。その最中に出逢ったのが、自分にしか分からない言葉を話す名探偵ピカチュウ(声がおっさん)だったり、ヒロインだったりします。
上述の通り、リアルなポケモンたちと共に暮らす登場人物たちに親近感こそ湧いたものの、ピカチュウ以外の登場人物たちにはいまひとつ掴みどころがなく、あまり感情移入できないまま、話の展開もよく分からない内にトントン拍子で進み、気づいたら黒幕登場。
ネタバレなし感想まとめ
- 映画「名探偵ピカチュウ」は、ポケモン達の描写が非常にリアルで、本当にポケモンが目の前にいるような気分になれる素敵な映画です。
- ストーリーはツッコミどころが多く、微妙です。
- ストーリーの微妙さは差し引いても「ポケモン」ファンなら一見の価値あり!
※ネタバレなし、ここまで。以下、ネタバレ
ネタバレあり感想
その黒幕も、ミュウツーの身体を乗っ取って何がしたかったのか今一つ不明。
「人間とポケモンを融合させるのだー!」…というような事を言って、実際にそうしていたけど、それで彼に何のメリットがあるのか不明。
ミュウツーの身体を乗っ取ったものの、それが割とあっさり解除されてしまう…のはまぁいいとして、正気に戻ったミュウツーがエスパーを通り越して「魔法使いか神かっ⁉」っていうくらいのなんでもアリの超人(ポケモン)に。
黒幕によってメチャクチャにされてしまった町はミュウツーの魔法エスパーであっという間に元通り。
行方不明だった父親の所在は、実はミュウツーが知っていました。…というより、ミュウツーがかくまっていました。父親の精神はピカチュウに移し、身体はミュウツーが預かっていたのです。
ピカチュウが言葉を話せたのは父親の精神が入っていた為でした。
しかし、ミュウツーがそこまでして父親をかくまう意味はあったのか、身体は一体どこに隠していたのかなどは不明です
この映画には同名ゲームの原作が存在するので、映画以前に、原作ゲームのシナリオがそもそもあまりよくなかったのかもしれないですが(^^;)
このようにストーリーは色々「?」という感じだったのですが、ただ単に私の理解が追いついていないだけという可能性もあります。
なお、アニメ版だとピカチュウのライバルであるニャースがいるのですが、残念ながらこの映画には(モブとしても)登場しません。
アニメのニャースは「しゃべる」ことが特徴なのですが、その特徴も今回はピカチュウに取られてしまったので、出て来たところで影は薄かったのかもしれませんが…(^^;)
ちなみに、ニャースの仲間であるムサシとコジロウ役の声優さんたち(林原めぐみ、三木眞一郎)は日本語吹替えに登場しているので、そこは見どころです。