「優しさ」ってなんだろうね(deltarune感想その2)

※この記事にはUNDERTALEとdeltaruneのネタバレが含まれます。閲覧には注意して下さい。

「優しさ」…それは一言で言えば「相手を思いやる気持ち」でしょうか。

UNDERTALEのキャッチコピーは「誰も死ななくていい優しいRPG」「世界が恋したインディゲーム日本上陸」でしたが、「世界がこのゲームに恋した」理由はなんでしょう。

神曲の数々やよく練られたストーリー、魅力的なキャラクター達や、私は苦手だけどシューティングによる斬新な戦闘システム、ユニークな言葉遊び等々もあるかもしれませんが……というか実際そういう面が大きいのでしょうが、「世界がこのゲームに恋した」のは、作品や作者自身の持つ「優しさ」に惹かれているから、というのもあるような気がします。

※このゲームの事をあまりよく分かっていなかった時に「理不尽で意地悪」と書いてしまって申し訳ございませんでした(^^;)

作者様と面識はありませんが、(ゲームから伝わってくる印象では)「このゲームを作ったToby Foxさんは多分すごく優しい人で、でもそれ故に葛藤を抱えてもいるのかな…?」と思いました。

ラルセイの憂鬱

「『UNDETALE』というあんなに優しいゲームを作った人が何故、deltaruneという『優しくない』世界を描いたゲームを、UNDERTALEをプレイした人向けに出したんだろう?」と不思議がっている人もいるようですがUNDERTALEにもGルートという「優しくない」時間軸が存在するのでそんなに驚かなくてもいいような気もしますがその答えはまさにdeltaruneで描かれていたと思います。

chapter1のラストで、自分が助けた王様に裏切られ、仲間諸共皆殺しになりかけたラルセイ。

なんだかんだあって結局は助かるのですが、彼は「ボク甘かったよね…。この世界では優しさだけじゃ勝てない事もあるんだね」と悩み悲しみます。

ラルセイ「誰にでもやさしくすれば すべて うまくいくなんて… ボク 甘かったよね…4」

ラルセイは優しさの象徴の様なキャラクターで、どんな時も穏やかです。どんなに理不尽な目に遭っても、自身の行いを省みることこそあれ、他者に怒りや憎悪を向けることがありません

そんな彼の「優しさだけでは勝てない(解決できない)」という葛藤は、「他でもないTobyさん自身の葛藤でもあるのかな?」と思います。

人間や人間の社会は、往々にして優しくありません。

人類の歴史はほぼ「戦争の歴史」といっても過言ではなく、恐ろしく暴力的です。

日本はもう何十年も軍事力を用いた戦争こそ行っていませんが、日々経済戦争を繰り広げ、食料なんて捨てるほどある一方、餓死者が出るという歪んだ社会です。

弱者救済のための社会保障費はしかし、その弱者にとって最も負担が重い消費税を増税して賄おうという矛盾した社会です(そもそも本当に増税した消費税が社会保障に使われているのかすら不透明です)。

(まぁ、これらはあくまで日本の話なので、本作が生まれたアメリカとは多少事情は違うのかもしれませんが)

それでも「優しさ」が世界を救う

「世界を救うのは暴力ではない、『優しさ』なんだ!」というのがUNDERTALEから続くTobyさんのゲームのテーマだと思います。

相手を殺すことなく、全てのモンスターと友達になったフリスクは、その優しさを用いてアズリエルに奪われてしまった仲間たちのタマシイをSAVEし、ついにはアズリエルとも和解します(これがいわゆる「Pルート」です)。

↓アズリエル戦の神曲とおよそのストーリーが分かる動画

…では逆に、「問題解決のために暴力を振るい続けるとどうなるのか?」という事もUNDERTALEで描かれました。世界の崩壊です(これがいわゆる「Gルート」です。というか、Gルートではもはや「暴力」そのものが目的化してしまっている、と言ってよいでしょう)。

そして次回作であるdeltaruneではそもそも世界それ自体が「優しく」ありません。UNDERTALEでは憧れの世界だった地上で暮らすモンスター達はしかし、相手を差別したり、自分に自信が持てなくて引きこもっていたりします。

ラルセイも自身が助けた王様に裏切られ、殺されかけてしまいました。

ラルセイはゲームの進行役を担っており、メタな発言が多いのも特徴です。そんな彼は、敵との戦闘について「戦うのではなく、なくなるべく話し合いで解決しよう」とプレイヤーに提案して来ます。

そして彼の言う通り、出逢った敵の全てを見逃したりスリープの魔法で眠らせたりすると、戦闘で敵を倒した場合と比べ、物語が良い方向に変化します。(UNDERTALEと違って、deltaruneでは敵を「殺す」のではなくあくまで「倒す」だけ)

助けに来てくれたみんな

敵を「倒す」以外の方法で戦闘を終わらせた場合、道中では敵だった彼らが最後には主人公たちを助けに来てくれます。

暴君は失脚し、新しい王による新しい世界がはじまりました。

ランサー王子いわく「みんなライトナー(主人公たち)にやさしくしてもらったのを覚えていた」とのこと。

UNDERTALEほど大きな変化ではありませんが、それでも世界は確実に良い方向へと変わりました。

「優しさ」では全てを解決することはできないかもしれません。しかし「世界を少しでも良い方向に変えることはできる」それがラルセイの、そして、Tobyさん自身の願いでもあるのかもしれません。

※「世界を救うのは優しさなんだ」というテーマはマンガやアニメや小説や映画では特別珍しくはないのかもしれませんが、それを「ゲーム」という媒体で再現したのが斬新だと思います。

まとめ

  • 優しさとは相手を思いやる気持ちである
  • 優しさとは他人に悪意を向けないことである
  • 「優しさ」ですべてを解決することはできないかもしれないが、世界を少しずつ良い方向に変えることはできる

自分が「優しく」なるのも相手の「優しさ」を受け入れるのも、自分の心に余裕がないとできない、という事をUNDERTALEで学びました。嘘みたいな本当の話です(このゲームをプレイしている最中、リアル事情やシューティングによる戦闘システムが苦痛などの理由から、モンスターたちの優しさをあまり理解していなかった節があります)。

…というワケで、なかなか辛いことの多い世界ですが、なるべく「心に余裕」を持って、フリスクやラルセイほど「優しく」はなれなくても、「なるべく優しく生きよう」と思いました。

まぁ、ムズカシイ話は抜きにしても、ラルセイがメチャクチャかわいくて超萌え萌えなので、もし、このブログの読者様で「まだdeltaruneをプレイしていない」という方がいらっしゃれば是非プレイしてみて下さい(PC、Switch、PS4、いずれかあれば無料でプレイできます)。

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