映画:猫なんかよんでも来ない 感想と感想の感想
「夢が叶わず、貧乏生活を強いられていた青年が猫を拾う事で成長する」…という物語で、原作は杉作さんによるノンフィクション漫画
猫を助けた事で救われる話には、イギリス発のノンフィクション「ボブという名のストリート・キャット」もあるが(本作の紹介はまた後日)、舞台が海外ではなく日本な分、日本人の私としては本作の方がより分かりやすかったし、臨場感があった。
「ボクサーになる」という夢が試合中に負った怪我のせいで潰えたり、居候先の兄貴に見捨てられたりするが、どんな時も自分に正直に生きる猫の姿に励まされる主人公。
漫画家だった兄貴のマネをして「ボクシング漫画家」になろうとするがそれも失敗。
さらには、飼いネコ2匹の内の1匹が猫エイズに感染して死んでしまう…。
そこで彼は始めて「猫と自分との触れ合い」を漫画として描き、出版社から「原稿の件で」と連絡が来た所で物語は幕を閉じた。
ボクサーになる夢も、ボクシング漫画家になる夢も叶わなかった主人公。
しかし猫のおかげで、彼は猫漫画家として新たな人生を掴んだのだった…。
主人公の、様々な苦難に見舞われながらも猫と触れ合いながら成長していく姿や、犬派で猫嫌いだったはずなのにだんだん猫にデレていく姿は必見(笑)
……と、筆者は思ったのだが、感想をネットで調べてみると反応はやや否定的な意見も目立つ。その内容を確認してみると
「ちゃんと去勢手術しないのがけしからん」「放し飼いにするのがけしからん」
…という趣向のものが多かった。
前者については作中で主人公もちゃんと反省していたのだが…。
後者については、私も最初は猫が部屋の外に出る度に「外に出すなよ」と内心ツッコミを入れたりヒヤヒヤしたりしたものだったが、見ていく内にだんだん慣れてしまった。
前述の「ボブ~」でもボブは飼い主さんと一緒にほぼ毎日外出していた事もあり、あまり気にならなくなってしまった。
念の為断っておくと、筆者も猫は「完全室内飼い」であるし、「外飼い」は推奨しない。
しかし、だからと言って、猫を放し飼いにするこの映画や主人公に「けしからん」という気は起きなかった。
日本だって昔はほとんどの猫が放し飼いだったはずなのだが…。
…なんというか
「コレが正しい○○」です。
みたいのが一度確立されてしまうと、そこから少しでもズレた人を叩きたがるのは日本人の悪い癖じゃないかと思う(こんな事を書くと逆に私が叩かれそうだが…)
その根幹にあるのは「みんな一緒主義」の義務教育にあるのだろう。
「みんなと同じ事をすべし!」「そこから少しでも外れた人は悪です」みたいな義務教育を変えない限り、イジメもなくならないし、柔軟な発想も生まれないだろう…。
同調圧力、恐るべし!
みんなの映画の感想を読んでそんな事を考えてしまった(^^;)
本作の主演は風間 俊介
アニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」で主人公:武藤遊戯の声を演じていた声優さんだ。まさに、猫も遊戯王も好きな筆者のためにあるような映画だった(笑)