「学校楽しい?」とかいう愚問

町で「学校楽しい?」と子供に無邪気に質問する大人を見たが、心の底からゾッとする。

どうしてこんな惨い質問ができるのか、私には理解できない。

この人に悪気はないのだろう。

だが、学校は子供達から自由と尊厳を奪う洗脳機関であり、子供達はマウントを取り合い、ずる賢い者や暴力の強い者が勝つ凄惨な社会だ。

まともな感性の持ち主なら、そんな所に毎日通わされて「楽しい」はずがないだろう。

しかしこの社会は学校に行って労働者にならないと生きていけないように制度上設計されているので、多くの親や大人達は「学校には行った方が良い」とのたまい、子供達を強制的に学校に通わせようとする。

だか、子供達にとったらそんな事は知ったこっちゃない。

不登校は悪でも甘えでもなく、「学校」という悪しき暴力機関から身を守る最善の策なのである。

本当に不登校という問題を解決したければ、その子を学校に無理矢理通わせるのではなく、学校に行かなくても生きていけるような道を用意した方が良いだろう。

私は学校に通うのが嫌すぎて「学校に通うくらいなら、生まれて来ない方が幸せなんだ」と思ったが、周りにそうもらしても当然誰からも理解されなかったし、「キミは何にも分かっていないね。生まれて来なければ何も楽しい事は無いんだよ」とマウントを取られる材料になってしまった。

「学校楽しい?」という質問には「学校は当然楽しいところ」だという「前提」があり、「学校を楽しめる子が良い子なのだ。あなたも当然そうだよね?」という脅迫も含まれている。

何故か?

上述の通り、子供は学校を嫌う。子供の嫌がる事を強制するのは虐待にも等しい。だが世の中の大多数の親や大人達は「子供達を学校に通わせる事で子供達を虐待している」等という罪悪感を背負いたくはない。

だから聞くのだ。「学校は楽しい?=あなたは当然、自分が好きで学校に行っているんだよね?」と。

親や周りの大人達からの庇護がなければ生きられない子供達がそう聞かれて「楽しくない」とは答え辛いだろうし、勇気を持ってそう答えたところで「なんで?(あなたは学校を楽しめない悪い子なの?)」と質問攻めにされるのがオチだろう。

この社会は「学校は正しい、楽しいところだ」という欺瞞からいい加減目覚めるべきだと思うし、「学校楽しい!」と期待通りの質問をする子こそ、嘘をついていないか(本当は辛いのに無理をしていないか)、他人をいじめたり、いじめを見て見ぬふりをしていないか、よく確認した方が良いだろう。

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