ヒーローとは何か?

プリキュアの玩具が売れないのは少子化のせいだけではない

トロピカル〜ジュの頃に「アニメは好調でも玩具は不振」というネット記事を見かけ、今年も「キャラクターIPは好調だが玩具はあまり売れてない」というような記事を見かけました。

結局のところ「おもちゃが売れない」のはメインターゲットである今の女児たちから「プリキュアは薄っぺらくてつまらないヒーローアニメである」と思われているからではないでしょうか?

そもそもヒーローとは何でしょうか?

つおい主人公が悪い奴をぶっ倒せばそれは「ヒーロー」と呼べそうな気がしますが、それだけでは魅力的な作品にはならないと思います。

正義とは必ず「自己犠牲」がともなうものだ。

これはアンパンマンの作者、故やなせたかしの言葉で、筆者も異論はありません。

この記事では「正義≒ヒーロー」だとして、もう少しかみ砕いて考察すると、「自分の命やそれに等しい何かを狙われるリスクを背負ってでも戦う覚悟を持てる奴」こそが真のヒーローだと呼べると思います。

アンパンマンや、90年代のアニメ版セーラームーンはこの辺が非常によくできていました。

近年大ヒットした「鬼滅の刃」の主人公、竈門炭治郎も

  • 妹であるねずこ以外の家族は皆殺しに遭う
  • 自身も鬼と戦う時は命懸け
  • 唯一生き残ったねずこも鬼殺隊から命を狙われる

とこの条件を満たしていると思います。

昔放送していたビックリマン2000のアニメは当時の子供達から見られていたと思いますが、主人公達に人気はなく、現イオンで在庫処分セールとしてキャラグッズがまとめて叩き売りされていました(^_^;)

ビックリマン2000は、敵を倒す男の子とその補佐役の男の子、ヒロインの女の子の三人組が主人公で、彼らのライバルであるレギュラーの敵は三馬鹿トリオと物凄く分かりやすい「90年代アニポケのキャラクター相関図」をそのままコピペした構図になっています。

天下のポケモンと比べるのも酷だとは思うのですが、サトシ達が絶大な人気を誇る一方、ビックリマン2000の主人公(タケル)達に人気が出なかった理由の一つは、サトシはほぼ毎回大事な相棒のピカチュウをロケット団に狙われていますが、タケルは失うものが何もない主人公だったからだと思います。

(タケル達は敵であるバカラ達と「世界を変える力を持つアイテム」をめぐって争奪戦をしていたが、バカラ達はタケル達の大事な何かを狙ってやってくるわけではない)

ビックリマン2000は冒険ファンタジーなので、たまにはタケル達も敵から殺されそうになる事もありましたが、基本的には出て来た敵を一方的に殺す役だったので、この辺の薄っぺらさが人気が出なかった理由だろうと思うのです。

ぶっちゃけ私もビックリマン2000のアニメを見ていましたが、タケル達に魅力は感じてはいませんでした(^_^;)

もしかしたら初期のプリキュアは違ったのかもしれませんが、近年のプリキュアもビックリマン2000のように「つおい主人公が敵を一方的に倒す」アニメになっているのではないでしょうか?

オトナプリキュアとひろがるスカイを見る限りではそんな印象を受けます。

ひろプリはKENNの演じるキャラが悪役として出てくると聞いたので、彼の登場回とその他、気になった話を一部見てみました。

オトナプリキュアのどこがよくないと感じたのかは「ぷよドリ」の方で書いたので割愛するとして、「ひろプリ」の問題点はやっぱり「赤ん坊のエルがプリキュアに変身して戦えること」「赤ん坊がプリキュアとして敵と戦うことのリスクが描かれない事」だと思います。

だって、変身すれば赤ん坊でさえノーリスクで倒せるような敵との戦いのどこにヒーローアニメとしての面白さを感じればいいというのでしょうか?

こんな内容で「女児に玩具を売り付けよう」とか、プリキュアスタッフは女児舐めてるでしょ。「プリキュアシリーズなんてクソつまらないものを見せられる今の女児たちがかわいそう」って言っている人がいたけど筆者も同意ですわ。

育児とエンタメの相性はよくない?

また、「はたらく魔王さま」にも当てはまる事ですが、「赤ん坊の育児」とエンタメ作品との相性はあまりよくないのではないかと思います。

理由はシンプルで「赤ん坊」を話のメインにするとどうしても育児描写が中心になってしまい、ドラマの幅が狭まってしまうからです。

観客の多くが見たいのは「気の合う仲間達と冒険や青春をする主人公達」であって、「他人の赤ん坊の育児をわざわざ見たい」と思う人は少ないのではないでしょうか?

「クレヨンしんちゃん」でさえ、ひまわり登場から数年は「ひまわりが出てきてから面白くなくなった」と言われていました。

(最初から赤ん坊の育児をウリにするつもりならともかく、そうでない限りは)なるべく赤ん坊は話のメインにはしない方がいいのではないかと思います。

まとめ

  1. 自分の命かそれに等しい何かを狙われるリスクを背負ってでも敵と戦う覚悟のあるキャラクターこそが真のヒーローである
  2. その条件を満たせないヒーローは薄っぺらくなりがち
  3. 赤ん坊の育児とエンタメ作品の相性はあまり良くないと思われる

※あくまで執筆時点での筆者の持論なので異論反論は認めます。

余談

筆者の今年の誕生日ケーキは遊戯王GXのキャラ達が描かれたプリロールでした。

主人公、遊城十代のcvはKENNです。

遊戯王ではヒーロー使いの主人公だった彼がひろプリではどんな悪役演技をされているのか気になって見たのですが、想像を遥かに越える演技の幅の広さで感動しました。彼の悪役演技が聞けるだけでも「ひろプリ」は見る価値があると思いました。

※敬省略

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