二次元キャラの愛は現実の人間を幸せにできるのか?

今から20年位前の話ですが、某アニメ雑誌の読者投稿コーナーに

アニメを見て推しを愛でるのも悪くはないけど、それ以上に現実で彼氏を作って彼を愛した方が良い。

…要約するとおよそこの様な内容の文章が載せられた事がありました(^_^;)

いや、言っていることは正論ですよ。でも、「アニメ雑誌で載せるような事かなぁ?」と思いますね💧

例えるならハリー・ポッターのファンブックで「魔法だのホグワーツだのそんなもんは現実にはねぇかからこんな本読んでいる暇があるなら科学の勉強した方が良いよ。その方がテストで良い点取れるし」と言っているようなもので、読者からすれば「余計なお世話」だと思うんですよね💧

当時この雑誌の編集をしていた人は、本当はアニメが嫌いだけど生活費のために嫌々この仕事をしていて、それでこの様な投書を採用したのかもしれないと勘ぐってしまいます(^_^;)

そもそも(この投稿者は別として)アニメ雑誌を買うのは割とコアなアニメファン層であり、この投書の指摘通り「アニメの推しより彼氏を優先」する様な人はアニメ雑誌を買わないと思うのは私の気のせいでしょうか?(^_^;)

それでも「アニメより彼氏の方を大事にしよう」みたいな投書が他でもないアニメ雑誌で掲載された背景には、「恋愛して結婚するのが人間の幸せなんだ」みたいな価値観がこの社会にはある(あった)からなのだと思います(^_^;)(単に「二次元のキャラより生身の人間を愛そう」という理屈なら「彼氏」にこだわる必要はなく、友達や家族でも良いはずなのに、この投書は最後まで「彼氏」にこだわっていました)

そんなわけで「アニメの推しより彼氏を大事にする」のは構わないけど、「それはアニメ雑誌で語るような内容ではない」と思ったという話でした。

正論は、発言の場所を間違えるとただのゴミです。

その雑誌買ったかって?

「アニメより彼氏を優先しろ」とか言うアニメ雑誌なんか買いませんよ…💧。それを向こうも望んでいたのですから…。

あまりにもしょうもない話なので長年記憶の中に封印していたのですが、なんで今更この話を持ち出したかというと、多分、ピンドラ映画の後編でキャラたちが観客たちに愛を語る場面を見たからなんだと思います。

幾原邦彦監督は「キャラクターの愛で観客を幸せにできる」と信じてあの場面を新規で作ったと思うんですよね。

それは明らかに「アニメより彼氏」とか言っちゃうそのアニメ雑誌とは真逆の態度です。

幾原監督はピンドラの舞台挨拶でそのように明文化していましたが、多くのクリエイターが(恐らくはビジネス上の都合もあるのでしょうが)明文化せずとも「観客を励ます、あるいはエールを送る」ために作品を創っていると思いますし、それで実際に救われている人もいると思います。私も間違いなくその一人です。

そんな人達に(他でもないそれで商売しているような媒体が)冷水をかけるような事をしてはいけないと思うのです。

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