映画「レンタネコ」が面白い

異性にはモテないが猫にはもてまくりの女主人公が、寂しい人たちに自分の飼いネコをレンタルして彼らの心を癒していくほのぼのヒューマンドラマ、それが映画「レンタネコ」です。

Amazonのプレビューを見るに、細かいリアリティを気にする人には向かないようですが(暑い日にネコを屋外で連れまわすな、猫をレンタルするなんてひどい等)それはそれでもっともな意見かもしれませんが、あくまで「猫たちがたくさん登場するお芝居」なのだと割り切ってみればそれなりに楽しめます。

ただ、「のんびり」と展開し過ぎてテンポが悪いので(とくに序盤は)少し退屈な面もあります。

作中では猫が好きな客が順番にネコをレンタルしていくのですが、筆者が特筆したいのは3人目の客です。

「猫をレンタルする」のを生業とする主人公ですが、ある日、同じ様に猫をレンタルしている店を訪れます。

そこに居た女性店員曰く「Aランク1万円、Bランク7000円、Cランク5000円の猫がいるが、どの猫がいいか」との事。

「ランクによって猫には何か違いがあるんですか?」と主人公が聞くと店員は「Aランクの猫は血統証付でしつけもされており最もオススメ」で、「Cランクの猫は雑種でしつけもされておらず、お客様の家で粗相をするかもしれないしあまりおすすめできない」との事。

それを聞いた主人公「違いはそれだけなのか⁉ Cランクだとしても、誰かにとっては最高の猫かもしれないじゃないか!」と激怒。

「私、Aランクの猫を、Cランクの値段でお借りします‼」

と言ったところ、出て来たのは自分の飼い猫で「なんでこんなところに!?」と驚くと同時に目が覚めるのでした。

「なんだ夢か…」そう思った主人公、「ハワイ旅行が当たるキャンペーン」の暖簾に惹かれてレンタカー屋へ入ると、夢で見た店員が、今度は車を「Aランク、Bランク、Cランクどれが良いですか」と聞いて来ます。

「なんでもランク付けるのはやめろー!」

とキレた主人公、夢の中と同じ様に「私、Cランクの車を、Aランクの値段でお借りします!」と啖呵を切るのでした。

この店員とのやりとりはこの後もしばらく続くのですが、ここで語っている事は「客観的な価値観に捕われず、自分の価値観を大切にしよう」という事です。

「客観的な価値観」とはつまり「金銭的な価値=値段」です。この社会は資本主義なので「大勢が欲しからないもの=売れない物や値段のつかない物は無価値」と判断されがちです。逆に、「誰もが欲しがり、高値で売れるもの」は「価値が高い」という事になります。

そして、私達もそのような考え方が「正しい」のだと洗脳されています。

しかしこの映画は、「他人にとってはCランク(大して値段のつかない、あるいは値段そのものがつかない)ものだとしても、自分にとって大切なものなら大事にしよう」と主張しています。

「Cランクの猫(or車)をAランクの値段でお借りします」と言い切った主人公も見事です(現実にはなかなかマネできないことかもしれませんが)。資本主義社会では「よいものを安く買う」のが「正しい消費者の在り方・賢いやり方」です。資本主義的価値観に基づけば、「Aランクの猫or車をCランクの値段で借りる」のが、「正しい・賢明な取引」です。

しかし、「自分にとっての価値」を大切にしたい主人公は真正面からそれを否定しました。主人公が誰かにネコをレンタルする時も値段は千円と決して高くありません。もちろん、資本主義的な価値観に基づけば「できるだけ高く売る(or貸す)」のが、「正しい・賢明な取引」です。(そんな主人公がどうやって生計を立てているのかというと、それはあいまいで分かり辛いのですが、作中の描写を見るに、株の取引きや占いで稼いでいるようです)。

ランクといえば、大福丸も客観的に見ればCでしょう。雑種だし、気に入らないことがあると粗相もするし、元々ノラだったし(笑)。客観的に見れば大したことない猫かもしれませんが、私にとっては世界で一番自分に懐いている、この世で最も可愛い猫です。

また、私が描いている漫画だってCランク(以下)でしょう。客観的に見ればそこに「金銭的な価値」なんてない。資本主義的価値観に照らし合わせて考えれば「やるだけムダの赤字作業」という事になりますが、楽しみにして下さっている方がいるのと、自分にとってのライフワークなので続けています。

また「年収400万円以下のヤツは払った税金より、その恩恵にすがっている割合の方が大きい」という意見も目にしました。私の年収は余裕で400万円以下なので、私自身の価値も資本主義に照らし合わせればCランク(それ以下!?)という事になるのでしょうか。全然税金の恩恵を受けているという実感がないけど(^^;)

そんなワケで自分にとって価値のあるものを大切にしよう」というこの映画と主人公にいたく感動したのでした。

Amazonプライムで視聴できるので興味があった人は見てみてください。

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