セーラームーンEternal(後編)ネタバレ感想と解説
劇場版「セーラームーンEternal(後編)」のネタバレ感想&解説記事です。
この映画は旧作アニメのリメイクではなく、「原作第4部のアニメ映画化」となっており、物語の面白さは旧作アニメを超えられないので、「セーラームーン」という作品を本当に楽しみたいのならこの映画より旧作アニメの視聴をおすすめします(旧作アニメのSupers、通称SS編と、セーラースターズ編の最初の12話がEternalの前後編に該当します)。
筆者は前編は未視聴ですが原作を読んでいる為、内容は知っております。ぶっちゃけ後編も見るか見ないか悩んだのですが、「外部戦士が好きなので見てもいいかな」ぐらいの気持ちで見に行きました。
で、実際に見た感想ですが…。
「物語の面白さは旧作アニメに及ばないが、演出がかなり頑張っているので、外部戦士が好きなら1回くらい映画館で見てもいいかも?」でした。まぁ、外部戦士達の変身or戦闘シーンが見られるのも後編の前半だけなんですけどね…。
前編を見た人の話によると「前編はテンポがかなり駆け足だった」らしいのですが「後編の物語のテンポは早過ぎず遅すぎずちょうど良い」と思いました。筆者と一緒に見に行った友人(原作未読でErenal前編視聴済み)もそれは同意見だったので、恐らく前編より後編の方が映画として面白い内容になっていると思います。
ちなみに後編開始の前に前編のダイジェスト映像が入るので前編の内容を知らずに後編だけ見ても問題は少ない…と思います。タブンネ。
サターンの変身シーン
「四半世紀」を経てついに変身シーンがアニメ化されたセーラーサターン。私も彼女の変身シーンを大スクリーンで見る事を楽しみにしていたのですが…。
映画本編で流れた変身シーンはさすがにコレより若干長かったですが、それでもあっさり風味でしたorz
「ついに始まった! 他のS戦士達の変身シーンは旧作アニメの焼き直しだけど、サターンは完全に新規! Eternalスタッフのお手並み拝見だ!」…と思った直後に変身が終了したので正直ちょっと期待外れ感が否めなかったですね…。座ってただけやん…。
映画の演出
高評価のポイントである映画の演出としては、原作の美麗なシーンをそのままアニメに落とし込んだ一方、原作だと「ネヘレニアの悪夢」の力でセーラームーンが骸骨の様な姿になったうえで溶けるというかなりショッキングシーンが、Eternalでは石化するというそこまで怖くない描写になっていました。
カンタンに言うと、原作の美しい画面はより綺麗なフルカラー映像としてアニメ映画化、恐ろし過ぎたところは少し穏やかな表現に変えているという感じでした。
ネヘレニアがセーラームーンを憎む理由
旧作アニメのSS編と原作及びEternalのストーリー上の大きな違いの1つは、前者はあくまで「今シーズンの独立した物語」になっているのに対し、後者は第1期から続く「月の王国シルバーミレニアムの栄枯盛衰の物語の一部」という位置づけになっている事です。
この差が顕著に表れたのが「ネヘレニアがセーラームーンを憎む理由」で、旧作アニメだと
ネヘレニアはシルバーミレニアムと並ぶもう一つの月の王国の王女であった。彼女はその美しさから家臣たちから慕われており、ネヘレニアも自身の美しさが自尊心の源であった。しかしある時、鏡で未来を占った事がきっかけで、いずれ自身が老いて醜い姿になってしまう事を知ってしまう。
老いて美貌を失うことを恐れたネヘレニアは、家臣たちから夢の鏡(SS編に登場するキーアイテム)を奪い、自らの身体に取り込む事で不老不死の身となり、夢の鏡を奪われた家臣達は悪夢の権化レムレスと化し、彼女の手先となった。これがデッドムーン・サーカスである。しかしネヘレニアの心は不老不死の身となってなお癒されず、「若く美しき王女」としての座をやがてプリンセス・セレニティ(うさぎの前世)に奪われてしまうことを憎悪していた。
…という説明がされるのですが、Eternal(原作)だと
かつて月には光しか存在せず、シルバーミレニアムはまさしく「光の王国」であった。しかし、そこにいつからか邪悪な闇の化身であるネヘレニアが住み着いた。しばしの間静かに月と光を蝕んでいたネヘレニアであったが、次期女王であるプリンセス・セレニティ誕生をきっかけにクイーン達の前についぞ姿を現す。
ネヘレニアの目的はプリンセスの誕生を祝う事であった。月で最もめでたき日に己だけが招かれなかった事が口惜しいネヘレニアは「闇と光はお互い呼び合うもの」として「自分=闇」を受け入れるようクイーンに説くが、クイーンはこれを拒否。ネヘレニアを鏡の中へと封印するが、時すでに遅し。プリンセス・セレニティはネヘレニアによって「呪い」を掛けられ、それが元でシルバーミレニアムは滅びてしまう。
…という感じになっております。カンタンに言うと「自分より美しい姫君が許せないウーマン」という「白雪姫の魔女」的なキャラ造形がされているのが旧作アニメのネヘレニア、「姫君のお誕生日会に自分だけ呼ばれなかった事が許せないウーマン」という「眠れる森の美女の魔女」的なキャラ造形がされているのが原作&Eternalのネヘレニアです。
まぁ、ネヘレニアがセーラームーン(≒プリンセス・セレニティ)を憎む理由は原作&Eternalの方が分かりやすいですし、「いかにも壮大なファンタジー」という雰囲気がして好きなんですけどね。
それでも筆者が原作&Eternalより旧作アニメの方を高く評価しているのはネヘレニアを倒した方法です。前者だと「敵の攻撃を克服しパワーアップして倒す」という情け容赦のないヒーロー作品の王道展開になっているのですが、旧作アニメだと
ネヘレニアが真に恐れていた事は自身の美しさが失われることそれ自体ではなく、美しさを失うとともに家臣たちの親愛を失うことであった。「本当は分かり合える友が欲しかった」と気づいた孤独なネヘレニアの魂をセーラー戦士達は浄化し、時間を巻き戻す。子供の姿に戻り自身の王国へ帰ったネヘレニアは、友を得る為、新たな一歩を踏み出す。
…という非常に優しい展開になっているからです。
この「美しく優しいヒーロー」というのがセーラー戦士達の魅力だと思っているので、筆者は原作&Eternalより旧作アニメの方が好きなのです。
ちなみにEternalだと「いよいよネヘレニアを倒す!」という段階で各セーラー戦士達のセーラーパワーガーディアンたちが集結。太陽系のセーラープリンセスだと告げられた各セーラー戦士達が「我が母星の○○キャッスルよ、セーラームーンに力を!」と祈りを捧げるシーンは、
ぶっちゃけ映画館で見ても意味が分からなかったです。
ここまで順調に記事を読まれたあなたは「お前は突然何を言い出すんだ!?」と思われたかもしれませんが、原作&Eternalはマジでそういう展開なので安心してください。
入場者特典
入場者特典の「カードダス」も貰えました! それ自体は嬉しいのですが、いかにも「設定画をそのまま印刷しました」という感じであまりときめかないですね(-_-;)
どうせならホログラム入れてカードがキラキラ光るとか、文字が箔押しで光るとか、もっとそういうアラサー乙女心をくすぐる仕様にして欲しかったです…。ちなみに裏面には外部4戦士とスーパーセーラーちびムーンが描かれています。
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