猫の恩返し 感想

あらすじ

平凡な女子高生・吉岡ハルは、学校の帰り道で黒猫がトラックに轢かれそうになるのを目撃。間一髪ラクロスのスティックを使って助けると、その猫は人間と同じ様に二足歩行をし、言葉をしゃべる不思議な猫であった。その正体は猫の国の王子・ルーンであり、彼との出会いがハルを非日常へと導く。

その夜、猫の国の国王が現れ、ハルに礼を言うと共にハルのもとへ数々の幸運が訪れることを予言する。翌朝、ハルの家の庭中がねこじゃらしであふれかえっていたり、下駄箱がネズミ入りのプレゼントBOXであふれかえっていたりと猫王国からのはた迷惑な恩返しが続く。それだけでは飽き足らず、猫達はハルをルーン王子の妃にしようと猫の国へ連れ去ろうとする。困り果てるハルだったが、「猫の事務所なら助けてくれる」という不思議な声を聴き、そこを訪れる。果たしてハルは猫の嫁にならずに済むのか?

ネタバレ感想

前半の「はた迷惑な恩返し」は面白かったです。

母の知り合いにも瀕死のノラ猫を助けてあげて以来、その猫が玄関に蛇やネズミの死骸を置いていくようになったという「ありがた迷惑」な猫の恩返しが本当にあったそうですし。猫と人間の価値観の違い的なところは面白かったです。

…しかし後半は「何故そうなる?」的なところが多かったので紹介したいと思います。

猫の事務所と猫の国の違いがいまひとつよく分からない。
ハルを助けてくれる猫の事務所にいる猫も、猫の国の住人達と同じ様に「二足方向をし、言葉をしゃべる」擬人化された猫なのだが、前者と後者は何故別に存在しているのか、猫の事務所は猫の国の一部なのか全く別の団体なのかという事が一切触れられていない為、本作の理解を難しくしている(何も気にしなければいいのかもしれないが…)
何故バロンが危険を冒してまでハルを助けようとするのかが分からない。
不思議な声に導かれ、猫の事務所を訪れたハル。そこにいたのは猫の事務所の主バロンで、バロンはハルを助けてくれるという。…のだが、対価も無しに何故ハルを助けようとしたのか理由が不明。もっとも彼は国王との一騎打ちになっても余裕だったので、危険などなく、単に人助けが趣味なのかもしれない。
猫の国は自分の時間が生きられないやつが行く場所説
率直に言って意味が分からない。猫は自分の時間を生きていないって事? そんな事はないだろう。ルーン王子はしっかりものだし、国王も自分の欲求に正直に生きていた。どこにも猫=自分の時間を生きられない(=粗末にしている)描写がない。また、猫王国の猫達は自分の時間を捨てた人間の馴れの果てなのかと思いきや、昔ハルが助けたノラ猫ユキがいたことから、そうでもないっぽいし。なんとなく「あそこはアカン」的な事が言いたかったのかもしれないが、それだったらもっと素直に「人間があそこに行ったらもう二度と元に戻れない」と言えば良かったんじゃないの?
救いの声の正体はハルが過去に助けた猫、ユキ
それ自体は別にいいのだが、空腹のユキがハルから貰ったのは、魚の形をしてはいるものの、人間用のクッキーである。引っかかるのはそこである。基本的に、人間の食べ物を猫に与えない方がいいのは誰もが知っているだろう。飢え死にするよりはマシだったのかもしれないが、どうせ猫に食べ物をあげるならちゃんと猫用のを用意してあげて欲しかった。「他に欲しいものがあったけど、飢え死にしそうな猫のためにお小遣いをはたいてキャットフードを買ってあげた」という展開にした方がハルの優しさも伝わったと思う。
バロンに剣で敗れ、下半身を裸(毛がなくなる)にされ、恥ずかしがる国王
…猫のタマって股にはないよね(^_^;)ギャグなんだろうけど、イマイチ笑えなかった…。

まとめ

前作のコミカル描写は面白かったが、後半は「何故助けてくれるのかは分からないけどバロンカッコイイ」しか印象に残らない映画。

そもそも本作があまりドラマチックでないのは、「現実の女の子はそう簡単に成長しない」という監督の哲学に基づくのかもしれない。猫を助ける時におこづかいをはたいてキャットフードをあげるのではなく、たまたま持っていた品で済ませるあたりもいかにも現実の女の子らしいのかもしれない(現実の女の子はそんなに優しくない説^^;)

アニメでは現実離れした超人的な聖女を度々見かけるので、たまにはこういう「いまいちパッとしない」少女が主人公でもいいのかもしれません。

細かいところは色々と引っかかるが、設定が意味不明以外に大きな欠点もなく、「猫の国ってあったらいいよね」的な冒険譚としてはそれなりに楽しめる作品であった。

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